2022-12-12 人文知共創センター除幕式

 12月12日、人文学研究科附属人文知共創センターの看板除幕式が挙行されました。

 人文学研究科附属人文知共創センターは、人文学が自然科学を含むさまざまな分野の研究者と共に協働し、未来社会にむけた総合的な人文知を創出することを目指して設置されました。
 上掲式には、杉山直総長、周藤芳幸研究科長、中村靖子センター長、星野幸代副研究科長、梶原義実副研究科長、センター専任教員、センター兼任教員らが参加し、執り行われました。周藤研究科長からはセンターの概要が説明され、「諸科学を先導する人文学という力強い旗印のもと、このセンターが人文学の発展にブレークスルーをもたらすものとなることへの期待が述べられました。続いて杉山総長からは、「「総合知」は理系の研究者だけでは達成できない」と、共に「総合知」を共創すべく人文学へのエールが送られました。 

2022-11-19 理論班の班別会議(拡張版)

 理論班(第一班)のメンバーに加え、拡張会議として各班を代表する先生が集まりました。今後の班別会議の運用方法について各班の目線を合わせつつ、理論班メンバーの金信行先生、鈴木麗璽先生、田村哲樹先生より研究進捗について報告がありました。
 それぞれ違った専門分野をもつメンバーが集まると、研究内容を多角的に考察することができます。たとえば金先生のご発表において、社会を「社会的なつながり」ではなく、「人間と非人間の連合体」として再定義するというラトゥールの認識に対し、非人間には政治的な能力があるのか、それともあると“見なす”のみなのか、という議論が展開されました。仮に非人間をAIロボットと置き換えるならば、その能力があるとする方向で第三班は検討を進めています。他方、非人間をまた他のオブジェクトに置き換えた場合、汎用性は変わるのでしょうか。
 多くの視点を取り入れつつ、各班の研究が進められています。(文責:綾塚達郎)

【研究報告】
・金信行「ブリュノ・ラトゥールによるテレストリアル概念の提唱とその批判的合意について」
・鈴木麗璽「社会集団の生成と崩壊に関するモデル・実験アプローチ」
・田村哲樹「人新世における民主主義の課題は何か?」

2022-08-11,12 キックオフミーティング

 対面参加およびオンライン参加を含め、11日には26名、12日には23名の研究者およびスタッフが集まりました。

 当プロジェクトにおいて、これからの人類の在り方を問うため、その一つのキーワードとしてラトゥールらが提唱したアクターネットワーク理論が挙げられます。この社会を人間中心として考えず、私たちの身の回りの自然環境や様々なオブジェクトも含め、非人間的なものも重要なアクターとして考えます。このとき、対象とすべきアクターの数は膨大なものとなります。加えてそれぞれのアクターの性質やつながりも含めた検討を行うためには、様々な視点、手法が必要となります。それを可能にするのが当プロジェクトの多様なメンバーではないでしょうか。人文学の手法に加え、自然科学の手法も取り入れつつ、「人新世」における人間性の根本を問う研究および活動をこれから推進していきます。(文責:綾塚達郎)