2023.3.29 『予測と創発―理知と感情の人文学』刊行記念シンポジウム / 名古屋大学人文学研究科附属人文知共創センター設立記念シンポジウム<けさひらく人文知>

シンポジウムを終えて——盛山和夫先生、周藤研究科長と共に

3月29日午前・午後、2本立てでシンポジウムを開催いたしました。

●『予測と創発―理知と感情の人文学』刊行記念シンポジウム

『予測と創発——理知と感情の人文学』(春風社)

 2022年11月30日、『予測と創発——理知と感情の人文学』(春風社)が出版されました。「予測と創発」をテーマに、ドイツ文学、フランス文学、インド哲学、美術史、応用数学、感情史、心理学といった、多岐にわたる分野からの論考が全11章にまとめられています。当シンポジウムではこれらの論考をベースに以下タイトルの講演が行われました。

・大平英樹 先生 「予測により創発される心性」
・伊東剛史 先生 「新種発見の感情史―『鳥学共同体』における名誉と栄誉」
・平⽥周 先生 「尋問、モラル・エコノミー、罰の不公平な配分―ディディエ
・ファッサンによる国家の抑圧装置に関する研究を⼿がかりに」
・松井裕美 先生 「新しい客観性の模索 かたちの変化の予測可能性と不可能性」
・大平徹 先生 「遅れと予測 過去からの逆襲」

ご興味のある方はぜひ書籍を手に取ってお読みください!

●名古屋大学人文学研究科附属人文知共創センター設立記念シンポジウム<けさひらく人文知>

 プロジェクトが発足し半年以上が経ちました。班別会議を重ねる中で少しずつ方向性が見えてきた今、あらためてスタートを切るためのシンポジウムを開催しました。

エールを送る杉山直名古屋大学総長

 冒頭では、杉山直名古屋大学総長、佐久間淳一名古屋大学副総長にご挨拶いただきました。杉山総長は、「幸せには科学技術だけではたどりつけません。現代社会が非常に複雑になっている中、人の営みを明らかにしていく人文知も必要です」と話し、「人間の価値や尊厳といったものも含めて、人文知で解き明かしていってもらいたい」とエールを送りました。

盛山和夫先生

 その後、日本学術振興会「課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業」事業委員会・委員長の盛山和夫先生に、「人文学・社会科学の学術知共創がめざすもの――意味世界の探究とは何か――」というタイトルでご講演いただきました。人文学・社会科学を取り巻く現状を、これまでの経緯も交えながら詳しくご解説いただいたうえで、「狭い専門領域を超えた多様な分野の研究に関心を持つ人たち」が集まり、「現実世界が抱えている共同のテーマに皆で一斉に取り組む」ことの大切さについてお話いただきました。

 また、会場は多くの来場者で満席となり、講演や報告発表だけでなく、その後の質疑応答の時間も大いに盛り上がりました。 (文責:綾塚達郎)