第二班の第一回班別会議では、3月11日に行われるヒトと動物の関係学会のシンポジウムの予行もかねて研究報告が行われました。はじめに、動物と人間、または人間とそれ以外のものの関係について人文学的な面から考えていこうとする趣旨の説明がありました。
立花先生のご発表では、アリストテレスの人間観について、倫理学の観点からまとめていただきました。どんな立場の人を人間とするのか、幸福とは時代や場所に通じる普遍的なものなのかということについて、分野を超えた議論が交わされました。
岩﨑先生のご発表では、インドの物語において動物が言葉を話す事例を挙げ、言語を得ることで道徳的主体として行為の責任を負っているというお話をいただき、まだ議論の余地はあれど人間と動物の境界についての新たな考え方となりました。
高橋先生はご自身の研究について幅広くご紹介いただき、人間がコミュニケーションの相手をどう認識しているかということや、孤独について実証した結果を踏まえ、人間が人生と前向きに、閉塞感なく向き合うことを実現するために、何かすることではなくそこにいること(being)で愛を与えるエージェントの開発についての展望を知ることができました。(文責:鈴木映恵)