第5班は、2023年2月18日にセミナー「「人新世」におけるアート」を開催し、京都大学名誉教授の岡田温司先生を講師に迎えて「アントロポセンとアート」と題したご講演を行っていただきました。講演では、16世紀後半から20世紀初頭までという長いタイムスパンが扱われ、小氷期の気候変動と植民地主義、エコロジーとエコノミーの同根性、火山噴火とサブライム/ピクチャレスク、グローバルな気候変動への想像力、産業革命とインダストリアル・サブライム、大気汚染と芸術といった幅広いテーマが論じられました。「人新世とアート」というと、比較的最近の現代アートが俎上に載せられることが多いですが、本講演は、このテーマの歴史的な射程の広がりにあらためて注意を促すものでした。また、提示された論点はいずれも、第5班にとって今後の研究の指針を与えるような示唆に富むものでした。(文責:武田宙也)