大阪大学基礎工学研究科にて,超班型特別企画「ロボットと感情」ワークショップを開催しました。人とロボットの共生について考える際に避けて通れない問題の一つに,「ロボットには“感情“を実装させることができるのか」というものがあります。本ワークショップでは,日本における Android 研究・開発の最先端をになう石黒研究室のメンバーである高橋英之特任准教授の企画の元,「ロボットと感情」について検討するため,様々な領域の研究者が集いました。はじめに,石黒研究室の所有する人間の話し言葉に反応する Android や複数体のお喋りロボットなどの実演を見学したのち,大平英樹教授による感情についての講演を聞き,その上でロボットと感情についてディスカッションを行いました。ディスカッションでは,どうすればロボットに感情が備わったと見做すことができるのか,ロボットに感情が備わると何が起きると予測されるか,そもそも感情とは何なのか,等の幅広い論点について,認知神経科学や心理学,複雑系科学,科学哲学史など様々な研究領域の専門家から多角的・超領域的な議論がなされました。本研究プロジェクトの第3班では今後,このワークショップで得られた知見やアイディアを基に,実証的な研究を行っていく予定です。(文責:池田慎之介)