研究組織

① 理論班

第1班は「理論の構築」を担当し、ハビトゥス論とアクターネットワーク理論を精緻化し統合を図ると共に、数理モデルによりそれらの理論の定式化を目指します。この成果から各班に共通 の理論的枠組みを与えて連携を実現します。

中村靖子代表、班長名古屋大学大学院人文学研究科(ドイツ文学)
大平徹名古屋大学大学院多元数理科学研究科(応用数学)
田村哲樹名古屋大学大学院法学研究科(政治学)
鈴木麗璽名古屋大学大学院情報学研究科(複雑系科学)
平田周南山大学外国語学部(フランス社会思想史)
金信行北陸大学経済経営学部(社会情報学)
鄭弯弯名古屋大学大学院人文学研究科(文化情報学)

② 自然と人間の相互関係史

第2班は「自然と人間の相互関係史」を主題とし、(1)古代インド、ギリシアから現代までの自然と人間との関係をアナキズム視点から俯瞰し、(2)19世紀以降の動物と人間との関係史、(3)近代都市の誕生から宇宙開発までの人間の居住空間を、ハビトゥス論とアクターネットワーク理論を用いて検討します。

岩﨑陽一班長名古屋大学大学院人文学研究科(インド哲学)
立花幸司千葉大学大学院人文科学研究院(古代ギリシア哲学・倫理学)
伊東剛史東京外国語大学大学院総合国際学研究院(感情史)
森元斎長崎大学多文化社会学部(アナキズム研究)
高橋英之大阪大学大学院基礎工学研究科(認知科学・ヒューマンエージェントインタラクション)

③ 言語獲得と主体化プロセス

第3班は傷つきやすさ及び痛みを、人間性の重要なコンセプ トとし、文学、言語哲学、発達心理学、ロボティクスの研究者が協働して、個人の主体化における脆弱性の意義を追求します。具体的には、脆弱性を実装した人工知能による言語獲得実験、幼児の言語習得過程の観察、文学作品における痛みの表現のテキストマイニングを用いた分析や、心理的に痛みを与えうる表現の意味論・語用論的解析を行います。

南谷奉良班長京都大学大学院文学研究科(英語圏文学)
和泉悠南山大学人文学部(言語哲学)
池田慎之介金沢大学人間社会研究域学校教育系(発達心理学)
宮澤和貴大阪大学大学院基礎工学研究科(知能ロボティクス)

④ セクシュアリティの多様性

第4班は「セクシュアリティの多様性」を生物的な性と、ハビトゥスとしてのジェンダーから検討し、(1)文学によるセクシュアリティの創発・定型化・攪乱、(2)性と宗教との関わりと制度化、(3)近代科学による性のカテゴリー化について、文学、精神分析、認知神経科学から統合的に考察し、性の再概念化を目指します。

鳥山定嗣班長京都大学大学院文学研究科(フランス文学)
マリー・ボーヴィウ明治学院大学文学部(日仏独アフォリズム研究)
立木康介京都大学人文科学研究所(精神分析)
坂口菊恵大学改革支援・学位授与機構研究開発部(内分泌行動学)

⑤ 生政治とアート

第5班は、生を管理する権力(生政治)を理論的に考察し、それに抗する企てとしての芸術活動に着目します。特に、生の再創造を試みるバイオ・アートが喚起する人間の姿を、人間の未来像として分析します。またエスポジトの生政治=免疫論に想を得た心理 学的な調査、日常生活における個人の感情や生理反応を連続的に記録する実験を行い、パンデミック後の世界における人間の倫理とあり方を問います。

武田宙也班長京都大学大学院人間・環境学研究科(美学・芸術学)
池野絢子青山学院大学文学部(イタリア現代美術)
山本哲也徳島大学社会産業理工学研究部(臨床心理情報学)
大平英樹名古屋大学大学院情報学研究科(認知神経科学)